前回の54番発見の続き
枯葉積もる祠の路に猪の遺骸
かれはつもるほこらのみちにいのいがい
枯葉=冬の季語
見たところ、右前足だけが白骨化して他の獣にしゃぶられた後がある。この猪も私同様に右前足を罠にとられて必死に抜け出し骨折した足でここまで来て息が絶え絶えの所を襲われたのだろう。頭や腹わたが食いちぎられてあたりに散乱している。弱肉強食の自然界の営みがごく身近にこの山野で行われているのだ。この地点はどんぐりのなる常緑樹林と杉や檜などの針葉樹林が混在している。決して橅林や椎の林ばかりではないこの山にも豊でかつ過酷な自然がある。このような山に入る時は、先住動物たちに危害を加えられることの無いように気を使い、防衛しながら山行することが大切なのだが、このような所こそ、霊気を感じ信仰心を感じさせられる場所なのではあろう。
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